1-4. 回路図の基礎

この章では、量子ビットと演算をどのように表現するかを学んできた。最後に量子操作を記述する量子回路図についてまとめておこう。論理回路や電気回路の図にも一定のルールや記号があるように、量子回路についてもある程度標準化されている記法が存在する。

量子回路図は一般に以下のような形をしている。

図1-4-回路図

主な構成要素は

  • 量子ビット: 回路図の1つ1つの横線が、それぞれ1つの量子ビットに対応している。左端の\(|0\rangle\)は、それぞれの量子ビットが\(|0\rangle\)に初期化されていることを表す。

  • 量子ゲート:回路図にある箱や縦線が、量子ゲートを表す。一般に、\(n\)量子ビットゲートは作用する\(n\)個の量子ビット(横線)にまたがる箱で表される。それ以外に、特殊な書き方で表すゲートがいくつかあり、例えば制御NOTゲート、SWAPゲート、制御\(U\)演算 \(\Lambda(U) = |0\rangle \langle 0| \otimes I + |1\rangle \langle 1| \otimes U\)は以下のように表される。

    図1-4-特殊回

  • 測定:右端にあるメーターのような記号で、量子ビットに対する測定を行うことを表す。

回路図の読み方において最も重要なのは、回路図は左から右に読むということである。つまり、楽譜のように左から順に量子ゲートや測定操作を行うことで計算が進んでいく。よって冒頭の回路は、

\[\Lambda(X)_{1,2} H(1) |00\rangle\]

という状態を作った後、1番目の量子ビットを測定する操作を表す。

(詳細はNielsen-Chuang冒頭``Nomenclature and notation``のFrequently used quantum gates and circuit symbols参照)